【9】2次データを読み込む

AIと好景気の関係

2017年の日本経済は数字の上では好調でした。

日経新聞の調べによると、上場企業の2018年3月期決算

は2期連続で最高益を更新する見通しとしています。

(2017年12月11日日経新聞電子版)

日本企業が好調なのは、円安や世界経済の拡大が背景

として考えられます。

輸出型製造業、IoT 関連企業、データセンサー関連企業

が好調です。

来年度へ向けて、今後の見通しも明るいようです。


日経新聞の実施した「社長100人アンケート」では、半年後

(2018年6月ごろ)

の国内景気が「拡大している」とみる経営者は約8割に達した

とのことです。

「社長100人アンケート」は大企業経営者の回答ですが、

中小企業はどうでしょうか?

日銀短観によると、大企業ほどではないものの中小企業も2017年

はDI値がプラスで上昇傾向にあります。

製造業、非製造業ともに同じ傾向です。

好調な要因は何でしょうか?1つには企業の『旺盛な設備投資』

が挙げられます。

法人企業統計調査によると、

設備投資は全産業で7-9月期前年同期比4.2%の増加

となっています。(4-6月は同1.2%、1-3月は同4.5%)

設備投資の中で、注目されているものとして、AIやIoTを活用

した業務効率化、生産性向上が挙げられます。

政府も未来投資会議を開き、

成長戦略として IoT、ロボット投資や自動走行を

重点に生産性向上に向けた設備や人材への投資を促しています。

今年に入り、AIを人材採用や育成に活用する動きや、工場の

生産性向上、マーケティングの分野まで広がっています。

こうした企業の取組は今後も加速していくと考えられます。

もう1つの要因として、『個人消費の回復』が挙げられます。

内閣府の実施する消費者態度指数をみると、

2017年に入り緩やかに上昇しています。

(1月43.1、2月43.2、3月43.9、・・・10月44.5、11月44.9)

そして個人消費回復の背景の1つとして就業率の向上が

挙げられます。

消費者態度指数を構成する指標のひとつ「雇用環境」は高水準

で維持しています。(9月47.8、10月48.7、11月49.3)

先行きの雇用の安定が消費意欲を下支えしていると考えられます。


雇用環境とAI、IoT、ロボット投資の背景として、

日本の構造的な問題、人口減少、特に生産年齢人口の減少にある

といえます。

働き手が不足しているので、AIやIoTで何とかできないかと

企業は模索しています。

まだまだ途上なので人手も必要という状況が、現在の好景気を

支えているという仮説も成り立ちます。

こうした状態は、そう長くは続かないと考えます。

11月にメガバンク3社の人員削減計画が発表されました。

背景にはマイナス金利による収益力の低下がありますが、

それを補うために銀行業務をAIに置き換えると、

それ程多くの人員が必要なかったということではないでしょうか。

こうした状況は銀行だけに言えることではなく、

ほとんどの業種や職種で当てはまることだと思います。

そしてその進展スピードは明らかに速まっています。

2020年オリンピックまで急激な経済衰退はないと考えられますが、

その後のビジネスチャンスに結びつく変化要因がありません。

中期的な視点に立ち、今のうちに社会に提供できる価値を

創造しなくてはなりません。

AI社会の中で必要性の高い仕事・業務は何か?

自社、自分には何が貢献できるのか?

AI化した世界を頭に描きながら、

2018年から準備を進めていくべきだと考えます。

それは企業もそうですし一個人としても同様です。

来年も皆さんと一緒に考えていきたいと思います!

執筆者:蛭川 速 / 2017.12.21